広告業界大手のTBWA HAKUHODOがサステナビリティとクリエイティビティを融合させた新たな挑戦を開始します。2024年10月2日、同社は「株式会社地球中心デザイン研究所」を設立します。従来の「人間中心」のデザイン思考から、生態系全体を視野に入れた「地球中心」の発想へと転換を図る新会社の設立は、企業のサステナビリティ活動に新たな可能性を示唆しています。

新会社の代表を務める佐藤カズー氏は、カンヌライオンズをはじめとする国際的な広告賞の受賞歴を持つクリエイティブディレクターです。地球環境学修士の学位も持つ佐藤氏のリーダーシップのもと、広告・クリエイティブ業界のプロフェッショナルと環境・社会の持続可能性の専門家たちが集結し、企業や自治体が直面する環境課題の解決に取り組みます。

環境課題とクリエイティビティの新しい可能性

現代の企業が直面する環境課題は、その複雑さと範囲の広さから、従来のアプローチだけでは解決が困難になっています。博報堂プロダクツの調査によると、62.5%の企業でサステナビリティ推進予算が増加しているものの、その取り組みを効果的に発信できていないケースが多く見られます。

3つの柱で実現する新しいアプローチ

地球中心デザイン研究所は3つの主要な機能を提供します。第一に、「地球もステークホルダーの1つ」という視点でのブランディング支援。第二に、企業価値や事業をよりアースセントリックに転換するための独自のワークショップ。そして第三に、研究者とデザイナーが協働して地球の未来を構想するラボ機能です。

クリエイティビティで描く持続可能な未来

地球中心デザイン研究所の特徴は、環境課題の解決とビジネスの成長を両立させる新しいアプローチにあります。これは、親会社であるTBWA HAKUHODOが培ってきた「DISRUPTION®」(創造的破壊)の哲学を基盤としています。従来の広告会社の役割を超えて、企業のサステナビリティ戦略の立案から実行まで、包括的なサポートを提供します。

新たな視点からの価値創造

代表の佐藤氏は、これまでの広告業界での経験を振り返り、「これまでの活動が目の前の人を幸せにする一方で、自然や動物、そして地球の遠いどこかにいる人々に対してどのような影響があるのかについて、想いを馳せたことはなかった」と率直に語ります。この気づきが、新会社設立の原動力となりました。

未来へのメッセージ

地球中心デザイン研究所の設立は、企業活動における新しい価値観の誕生を示唆しています。これまで別々に考えられてきた「ビジネスの成長」と「環境保護」を、クリエイティビティの力で融合させる試みは、サステナビリティ時代における企業の新しい在り方を提示しています。

企業の成長と地球環境への配慮を両立させます。一見すると相反するこの2つの課題に対して、クリエイティビティという新しい視点から解決策を見出そうとする姿勢は、今後の企業活動における重要なヒントとなるでしょう。環境負荷を定量的に可視化し、それを軽減させながら、新たな価値を創造していきます。この挑戦的な取り組みが、持続可能な社会の実現への重要な一歩となることを期待させます。

私たちは今、大きな転換点に立っています。地球をステークホルダーとして捉え直す視点は、ビジネスの未来を考える上で避けては通れない重要な示唆を与えてくれます。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000180.000034082.html