「Biz/Zine Day 2023 Autumn」で行われたセッション「新規ビジネス創出におけるデータ×デザインの活用」の内容を紹介しています。イオンモールのインドネシア現地法人、NTTデータのインドネシア現地法人、そしてフォーデジットの3社が共創体制を敷き、イオンモールのインドネアにおける企業としての方向性、既存事業での顧客獲得、新規事業立ち上げという3つのプロジェクトを推進しています。このプロジェクトでは、データ分析とデザインアプローチを組み合わせることで、インドネシア市場の理解を深め、新規事業のアイデア創出や既存事業の強化を図っています。定量調査や定性調査、ワークショップなどを通じて、約200の課題とアイデアを抽出し、新規事業の開発につなげようとしています。セッションでは、データとデザインの融合がもたらす効果や、異なる強みを持つ企業の共創の意義について議論されました。
データとデザインの融合がもたらす新たな視点
新規事業の創出において、不確実性は避けられない要素です。しかし、データとデザインを効果的に活用することで、その不確実性を軽減し、より確かな方向性を見出すことができます。イオンモールのインドネシア現地法人、NTTデータのインドネシア現地法人、そしてフォーデジットの3社による共創プロジェクトは、まさにこの考えを実践に移した好例といえるでしょう。
このプロジェクトでは、データ分析による客観的な市場理解と、デザインアプローチによる創造的な問題解決が見事に融合されています。定量調査や定性調査を通じて得られたデータは、インドネシア市場の実態や潜在的なニーズを浮き彫りにしました。一方、デザイン思考を取り入れたワークショップは、従業員の創造性を引き出し、多様なアイデアの創出につながりました。
データが明らかにしたインドネシア市場の実態
データ分析の結果、イオンモールインドネシアの関係者にとっても驚きの発見がありました。既存の常識が覆されるような市場の特性や、予想外の消費者傾向が明らかになったのです。例えば、日本文化への高い関心度や、高級品への需要の高まりなどは、新規事業開発に向けた重要な示唆となりました。
このようなデータ駆動のアプローチは、市場とのコミュニケーションを円滑にし、効果的な選択と集中を可能にします。客観的なデータに基づいて意思決定を行うことで、感覚や経験則だけに頼らない、より確かな事業戦略を立てることができるのです。
データとデザインの統合的知見に可能性
データとデザインの融合は、新規事業創出において非常に強力なツールとなります。客観的なデータ分析と創造的なデザインアプローチを組み合わせることで、市場の実態を深く理解し、同時に革新的なアイデアを生み出すことができます。
イオンモールインドネシアのケースが示すように、この手法は特に未知の市場や急速に変化する環境において有効です。データがもたらす洞察と、デザインがもたらす創造性は、不確実性の高い状況下でも、より確かな道筋を見出すための羅針盤となるでしょう。
さらに、異なる強みを持つ企業が共創することの価値も、このプロジェクトから学ぶことができます。ビジネス、データ、デザインそれぞれに強みを持つ企業が協力することで、単独では成し得なかった成果を生み出すことができるのです。
新規事業の開発において、データとデザインの融合、そして異なる専門性を持つ企業の共創は、今後ますます重要になっていくでしょう。この手法を取り入れることで、企業は市場の声をより深く理解し、革新的なソリューションを生み出す可能性を広げることができるのです。新しいビジネスの創出に挑戦する企業にとって、このアプローチは大きな示唆を与えてくれるはずです。